Zonoは小説家の夢を見るか

物書きになるぞ!
ということで、基本的に自作小説の投稿をしていきます。
たまに、他のことも書くかもしれません。

【英雄ノ系譜】#6 長老エルフからの指令

【東ノ国・森林中部】


エルフ「ここです」


男「ここって……何もないじゃないか」


エルフ「待っててくださいね……」ポゥッ


男(何かを唱えてる……魔法じゃないな)


【エルフの里】


エルフ「よしっ」


男「おぉ……急に景色が変わった!」


エルフ「エルフの里へようこそ~!」


男「ここがエルフが住んでいるところか」


 エルフ「ささ、長老の家はこちらです」グイグイ 


男「おっとと、引っ張るなって!」


 エルフ「参りましょ~」 


 エルフA「あらエルフちゃん、隣の人間が例の?」


 エルフ「エルフAさん! そうですよ!」 


男「どうも……」


 エルフA「うふふ、ゆっくりしていってね」 


男「はぁ」


 エルフB「やぁエルフちゃん。元気?」


 エルフ「絶好調です!」


 男(そんなに多くないと思ってたけど、結構な数のエルフがいるんだな……) 



【エルフの里・長老の家】
 エルフ「ささ、到着です!」
 男「ここか」


 エルフ「長老! 入ってもいいですか?」 


長老エルフ「えぇ、入りなさいな」 


長老エルフ「よく来ましたね。勇者さん」


 男(思っていたより若いし美人だ……) 


男「どうも……って勇者? 俺は男っていうんだけど」


 エルフ「男さんっていうんですか!」


 男「そういえばキミにも名乗ってなかったな」


 エルフ「初耳でした」


 長老エルフ「これは失礼しました」 


長老エルフ「男さん、今日お呼びしたのは大切なお話があるからです」


 男「……急ですね」


 長老エルフ「えぇ、本当に急な話です」


 男(どうやら真剣な内容みたいだ。雰囲気が変わった)


 エルフ「何の話ですか?」 


長老エルフ「ふふ、エルフ。貴方にも関係があることですよ」


 エルフ「なんでしょうか?」


 男「長老さん、話というのは?」


 長老エルフ「そうですね。何からお話ししましょうか……」 


男「……」 


長老エルフ「まず、ここ最近魔物達の活動が活発になってきていることは、ご存知でしたか?」


 男「えぇ、俺が森に居たのはその調査のためです」 


長老エルフ「そうでしたか。では現状も把握していらっしゃるのかしら?」


 男「そうですね。明らかに魔物達の動きはおかしい。人間にも被害が出ています」 


エルフ「私も襲われました!」


 長老エルフ「そうですね。エルフ達の間でも被害の報告は上がってきています」


 男「何か、起こっているんですよね?」


 長老エルフ「はい」


 長老エルフ「先日、我が一族の巫女達が、西の方角にかつて無いほどの魔力の塊を感じる、と報告してきました」


 男「西……」 


長老エルフ「男さんの暮らす東ノ国と西ノ国の仲はあまりよくないと聞いていますが」


 男「えぇ、事実です。今も睨み合いが続いている状態で……」


 エルフ「戦いは嫌ですね……」 


長老エルフ「そうですね……」 


男「それで、その魔力が一体どうしたんですか?」


 長老エルフ「はい、どうやらその魔力がこちらへ流れ込んできてから、魔物達が凶暴になったようなのです」


 男「なるほど……ここ最近の事件はそれが原因なんですね」 


長老エルフ「はい、間違いありません。そこで、男さんに大事なお願いがあるのです」 


男「あー、大体察しました」 


長老エルフ「お察しが早くて助かります」


 エルフ「??」


 男「俺に、その魔力の根源を調査、できれば処理してこいっていうことですね?」 


長老エルフ「その通りです。魔力は日に日に増加してきています。一刻も早い対処が必要なのですが……お願いできますか?」


 男「……王様から依頼された調査とは、事の大きさが違いすぎますよ」


 長老エルフ「えぇ……それは重々承知の上です」 


エルフ「男さん……?」 


男「……少し、考える時間をください」 


長老エルフ「……あまり時間はありませんが、こちらがお願いしている立場です。2日後……いえ、3日後にお返事を頂けますか?」


 男「わかりました……」 


長老エルフ「エルフ、男さんを送って差し上げて」


 エルフ「はい!」


 長老エルフ「それでは男さん、3日後にお待ちしています。」


 男「えぇ……」

【英雄ノ系譜】#5 報告と再会

【東ノ国・王城】


王様「ふむ……そんなことが……」


男「はい。やはり、魔物達の中で何かが起こっているような気がします。王国の警備も、もう少し強化した方がいいかもしれません」


王様「考えておこう。何はともあれ、ご苦労だった。ゆっくり休むといい」


男「はい、それでは失礼します」




剣士「お、男じゃん。帰ってきてたんだな」


男「おー、今さっき帰ってきたんだよ」


剣士「で、何かあったのか?」


男「うーん……スライムとかゴブリンとか、異常な数と戦ったし、森の中にスケルトンもいたんだ」


剣士「スケルトンか……強かったか?」


男「強かった。俺一人じゃ、勝てなかったかも」


剣士「ん? 誰か一緒に居たのか?」


男「え? あぁ、いや、一人だったよ!」


剣士「でも、今俺だけじゃ、って」


男「俺でもギリギリだった! ってことさ」


剣士「ふぅん……しっかし、お前でもキツイってことは、相当強いんだな」


男「世界の広さを知ったよ。俺なんてまだまだなのかも」


剣士「お前で弱いんだったら、この国はどんだけ弱いんだよって話だよな」


男「ははは……俺はこの後、魔法使いに少し聞きたいことがあるからもう行くよ」


剣士「おう! 修行するんだったら声かけてくれよ! お前とじゃないと俺も本気で取り組めないからな」


男「あいよ」




男「お~い! 魔法使いいるか~?」


魔法使い「あら、男じゃない。どうしたの?」


男「あのさ、スケルトンって知ってる?」


魔法使い「知ってるわよ。それが?」


男「王国から少しいった森の中で遭遇したんだけど」


魔法使い「え、本当? スケルトンは、魔界の近くにしか生息していないはずなんだけど……」


男「マジか。それってつまり」


魔法使い「……魔物の活動範囲が広がってきているってことね」


男「だよな」 魔法使い「だとしたら、何か原因があるはず……」


男「うん。ちょっと、俺なりに調べてみる」


魔法使い「えぇ。私も調べてみるわ」


男「うん……あ、そうだ。もう一つ質問」


魔法使い「なぁに?」


男「エルフって、どこらへんにいるの?」


魔法使い「なんで急にエルフの話になるのよ」


男「なんとなく……ちょっと興味が湧いてね」


魔法使い「ふぅん……エルフの存在自体は珍しくないけど、どこで生活しているのかはわかっていないわ。どうやら結界を張って、エルフ以外の種族が入れないようにしているらしいのよ」


男(やっぱり結界の中にいるのか……)


魔法使い「魔法に長けていて、噂では人間の知らない魔法も使えるらしいわ。ぜひ一度、会って話をしてみたいものね」


男「ふぅん……」


魔法使い「もし、会ったなら私に教えなさいよ」


男「わかった」




 【それから数日後―――東ノ国・森林入口】


 男「ふぅ……今日もスライム日和だ」


 男「いくら狩ってもキリがないんだよなぁ……ほんとにどうなってんだ」 ガサガサ


 男「おっ、またか?」シャキン


 バッ!


 男「って、あれ?」 


エルフ「ひぇぇ……」 


男「お前……何時ぞやの」


 エルフ「そうですよ! 何でいきなり斬りかかって来るんですか!」プンスコ 


男「ごめんごめん。ってきり魔物かと思って」


 エルフ「ひどい!」プンスコプンプン 


男「で、こんな所で何してたんだ? また薬草集めか?」 


エルフ「あれ……何ででしたっけ?」


 男「俺は知らないけど……」 


エルフ「うーん、うーん……」モンモン 


男「……」 


エルフ「そうだ!」


ピコーン 男「思い出したか」


 エルフ「あなたに用事があったんです! 長老が連れてきなさいって言ってました!」


 男「えぇ~? それマジ?」


 エルフ「マジですよ~」 


男「なんか怖いんだけど……そもそも人間を入れていいのか」


 エルフ「長老の許可が出てるので大丈夫です! ささ、行きましょう!」テクテク 


男「お、おう……」ザッザッ

【英雄ノ系譜】#4 エルフ

【東ノ国・森林中部】


男「あの魔物は……」


スケルトン「」カタカタカタ


男「確か……スケルトンとかいったか……初めてみた……」


??「助けて……っ」


男「っ! 待ってろ!!」シャキン



男「うらぁぁ!!」ブンッ


男は剣を振り下ろした!


スケルトン「」カタカタ


ガキィンッ!!


スケルトンは、剣で刃を受け止めた!


男「なっ!?」


スケルトンは、男の腹を蹴り飛ばした


男「ごふっ!」


男は吹き飛び、木に叩きつけられた!


??「大丈夫ですか!?」


??は回復魔法を唱えた!


男「ぐっ……ありがとう……」パァァ


男(このスケルトン……強いぞ……)


男は立ち上がった!


男「キミ、魔法を使えるのか」


??「は、はい! 少しだけですが……」


男「補助魔法は? 回復だけか?」


??「あとは加速魔法とか……」


男「いいね。合図したらそれを俺に使ってくれ! 奴に一撃喰らわせてやる」


??「わかりましたっ」


男「いくぞっ!」ダッ


男はスケルトンに向かって走った!


スケルトン「」ブンッ


スケルトンが剣を振り下ろす!


男「よしっ! 今だ!」


??「加速魔法!」


??は加速魔法を唱えた!
男の移動速度が上がった!


男「はあぁぁっ!」ザンッ


男はスケルトンの剣を潜り抜けて、一閃を叩き込んだ!


スケルトン「」バラバラバラ


スケルトンは崩れ落ちた!


男「はぁ……はぁ……やったか……」


??「大丈夫ですか!?」タタタ


男「あぁ……いやぁ……強かったなぁ」


??「助けて頂いてありがとうございます」ペコペコ


男「キミのおかげで倒せたよ。こちらこそありがとう」


??「いえいえ、そんなそんな」ペコペコ


男「ってか、君のその耳って……」


??「へっ? あっ! あっ! フードが!」ワタワタ


男「……」


??「……見ました?」


男「……」コクリ


??「ふぇぇ……」


男「キミは……エルフなんだな」


エルフ「……そうです」


男「確かエルフって、人間が苦手なはずじゃ……」


エルフ「それはっ、そういう風に言われてるだけで、そんなことはありません!」


男「そうなのか」
エルフ「そうなんです!」


男「それにしても、どうしてこんなところに居たんだ? しかも、スケルトンにまで襲われて……」


エルフ「薬草を探していたんです。そしたら、いつの間にか結界の外まで出てしまって……」


男「へぇ……え? 結界って何?」


エルフ「あっ! 私、結界のこと言っちゃってましたか!?」


男「お、おう……」


エルフ「あわわ……どうしよう! 絶対人間に教えちゃいけないって言われてたのに!」


男「そ、そうなんだ~」


エルフ「あぁっ! また……っ」


男「落ち着いてよ。別に他の人に言ったりしないからさ」


エルフ「ううう……」


男(なんだかすごい娘だな……)


男「じゃ、俺はこの辺で……」


エルフ「えっ、あっ! この度は、本当にありがとうございました!」ペコリ


男「うん。気をつけて帰るんだよ、って足元!」


エルフ「はいっ……ってあわわ」ヨロヨロ


男(あぶなっかしい……)


エルフ「さよーならー!」フリフリ


男「おーう!」



男(エルフがいたことにも驚いたけど、なんであんなところにスケルトンがいたんだ? やっぱり何かが起こっているのかも……)


男(とりあえず、いったん帰って報告しよう)
男(エルフのことは……言わないでおいたほうが良いな)